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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第56章 ◇第五十五話◇もう二度と戻れない日常【恋の行方編】


私はすぐに袋から絆創膏を取り出すと、傷口を指で触って場所を確かめる。
確認した場所になんとか貼ろうとしていたら、絆創膏をミケ分隊長に奪われてしまった。

「見えないと貼りづらいだろう。俺が貼ってやる。」
「あ…、すみません。助かります。」

素直に礼を言って、私はミケ分隊長に顔を向けた。
無骨な手は大きくて、器用ではなさそうな動きで頬に絆創膏を貼ってくれた。

「ミケ分隊長が絆創膏持ってるなんて意外です。
 怪我なんて絶対にしなさそうだし。」
「あぁ、これは…。」
「これは?」

なぜか途中で言葉を切ったミケ分隊長に、私は首を傾げる。
でも、中途半端に話を途切れさせたまま、ミケ分隊長は何処か一点を見つめて黙り込んでしまった。

「どうかしましたか?」
「…!あ、いや、なんでもない。
 いつどこで怪我をしてしまうかわからない。
 絆創膏は持ち歩くといい。」
「そうですね。今度からそうします。」

素直な返事に満足したのか、ミケ分隊長は私の髪をクシャリと撫でた。
大きな手は、リヴァイ兵長の倍くらいあるんじゃないだろうか。
また、そんなことを思ってしまって、自己嫌悪になる。
それを誤魔化したくて、さっきミケ分隊長がじーっと見ていた視線の先に顔を向けた。

「あ…。」

素直なのか、愚かなのか、私の瞳はまたリヴァイ兵長を見つけてしまう。
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