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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第50章 ◇第四十九話◇お手伝い【恋の行方編】


上官の部屋だけに設置されている給湯室は、部屋とは呼べないくらいに狭いけれど、ティーカップやお皿を入れる小さな食器棚とティーポットを沸かしたり、しょっとした食器洗いをするには充分の広さがあった。
綺麗に整頓されているおかげで、慣れない場所でも特に困ることもなく、ティーカップを2客用意出来た。
紅茶の葉も木箱の中に綺麗に並んでいる。

「あ…。」

見つけたのは、兵舎を出て行った日、私がリヴァイ兵長にあげた紅茶の葉だった。

(飲んでくれてるんだ。)

いくつか減っているのに気づいて、嬉しくなる。
せっかくだし、とその中から紅茶の葉を選んだ。
出来上がった紅茶を持って部屋に戻ると、テーブルの上に広がっていた書類がすべて端の方にまとめられていた。
リヴァイ兵長が片付けておいてくれたようだ。

「書類、片付けてくれたんですね。ありがとうございます。」

礼を言ってから、リヴァイ兵長の前に紅茶をそっと置いた。
隣に座りたいとも思ったけれど、私はティーカップを手に持ったままで向かい合う場所に腰を下ろす。

「お前のおかげで、エルヴィンに嫌味を言われねぇで済みそうだ。
 助かった。」
「いえ、そもそも私が怪我をさせてしまったせいなので。
 むしろ、すみません。」
「大袈裟な包帯もたまには役に立つもんだな。
 これがなけりゃ、それは白紙のままだ。」

リヴァイ兵長は、テーブルの上にある書類を目で示した。

「…そうかもしれないですね。」

思わずクスリと笑ってしまう。
さりげない気遣いが嬉しかった。


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