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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第47章 ◇第四十六話◇おかえり【調査兵団入団編】


「私の親友たちは、2人とも星になってしまったんですね。」

夜空に、手を伸ばした。
届きそうもない途方もない距離に、しまっていた悲しみが押し寄せてくる。
あの手紙を読むかぎり、駐屯兵団にいるときのルルは、内向的だったようだ。
でも、私の知っているルルは、社交的で明るくて、優しくて、いつも仲間の中心で笑っていたように思う。
明るさだけが取り柄だと自分で言っていたヒルラと、気が合うと思うのだ。
私はもうしばらくこの世界で頑張りたいと思う。
いつか再会する日まで、2人が仲良くしてくれていたらー。

「ルルは…、本当に、私を守って死んでしまって…、後悔しなかったんでしょうか。」
「アイツの気持ちなんて、おれが知るわけねぇ。」
「そうですよね…。誰にも、分からない。」

あの日、あのときのルルの最期の姿が私の記憶の一番新しいところにいつもいて、まぶたの裏に焼き付いて離れないのだ。
最後の最後、ルルは力を振り絞って私の名前を呼んだ。
そしてー。

『!!いー。』

そこで途切れたルルの最期の声が、耳の奥の方でずっと響いている。
彼女は必死に、私に伝えようとしていた。
あの手紙に残してくれたルルの声、あれもきっとルルの心からの声だったのだと思う。
本心だったのだと思う。
でも、死を目前にしたとき、彼女が最後の最後に願ったこと、それはー。

「でも、最期の声を聞いた私は知ってる…っ。
 ルルは、私の名前を呼んで、そして、言おうとしてた…っ。、行かないでって…。
 それなのに、私は助けられなかった…っ。最期の言葉すら言わせてもらえないで、ルルは…!」

涙が枯れるんじゃないかってくらい泣いたはずなのに、私の瞳にはまだ涙が残っていたらしい。
こぼれそうになるそれを必死に瞳に留めたくて、両手で覆って顔を隠した。
途端に、星は姿を消して、私の世界は真っ暗になる。
強くなろうと決めたのにー。前を向こうって、決めたのにー。
自分の脆さが情けなくて、唇を噛んだ。
ずっと、怖くて言えなかった。
生きたいと願ったルルの声を認めるのが、怖かった。
ずっとずっと、怖くてー。

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