【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第47章 ◇第四十六話◇おかえり【調査兵団入団編】
今までなら、部屋に入る直前まで彼らと一緒だったから、何だか寂しい気持ちになる。
同期というのがいない私にとって、同期だと呼べるのはルルと104期の新兵達だけだったからー。
「壁外調査での活躍が認められたんですね!よかったです!
おれもすっげぇ嬉しいですっ!」
「アハハ…、ありがとう…。」
エレンが目をキラキラさせればさせるほど、ミカサの視線が鋭くなっていくことに、そろそろ彼も気づくべきだと思う。
フォローしているアルミンに心の中でお礼を言ってから、またねと彼らに手を振る。
嬉しそうに手を振り返してくれたクリスタが可愛い。その隣で、何か企んでいそうな悪い笑みのユミルが、怖い。
「…さ、気を取り直して。」
重たい足を引きずって、階段を上る。
兵団に戻ってくるための嘘も方便だったにしても、休暇届によって休暇を貰えたことは確かなのだ。
そしてその休暇には日数制限があって、私はそのうちの2週間を使ってしまったことになる。
勿体ない。絶対に勿体ない。
だから、あと残り1週間、死ぬ気で書類仕事を終わらせて、少しは休暇を満喫したいと思っている。
ー予定だ。
(あれ?)
階段を上りきり、廊下を歩いていた私は、リヴァイ兵長の姿を見つけた。
私の部屋の扉に寄り掛かり、つまらなそうに立っている。
任務が終わったばかりなのか、訓練後なのかは分からないけれど、まだ立体起動装置を装備している。
(何してるんだろう?)
そういえば、ハンジさんから、ミケ分隊長からも書類を頼まれているから明日にでも貰いに行ってくれと言われている。
もしかして、リヴァイ兵長からも書類を渡されるのだろうか。
嫌な予感がしつつ、私は恐る恐る声をかけた。
「リヴァイ兵長、どうかしたんですか?」
「あぁ…!やっと来たか。遅ぇ。来い。」
私に気づいたリヴァイ兵長は、それだけ言うと背を向けて歩き出した。
書類を持っている様子はないが、世間話をしに来たわけでもなさそうだ。
「どこに行くんですか?」
慌てて追いかけ、私はリヴァイ兵長の隣に並ぶ。
「気が向いた。」
チラリと私を見た後で、リヴァイ兵長はそれだけ答える。
全く答えに何てなっていないけれど、本人は詳しく説明する気はないらしい。