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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第46章 ◇第四十五話◇ただいま【調査兵団入団編】


混乱する私を、リヴァイ兵長は何を考えているか分からない顔でジーッと見ているし、本当に全く意味が分からない。

「おい、。」
「は、はい!」

急に名前を呼ばれて驚いた。
慌てて返事をしたから、声が上ずってしまって恥ずかしい。
パニックの私とは裏腹に、リヴァイ兵長は片眉を上げてどこか不機嫌な顔つきになっている。
怒っている、のだろうか。
でも、久しぶりに会ったばかりで、怒らせてしまっている理由に心当たりはない。
最後に会った時も、避けられている感じはしたけれど、怒っているようには見えなかったのにー。

「お前が、もし…、あれだ。」
「あれ?」

何か言いだしたと思ったら、リヴァイ兵長は口ごもってしまった。
私が首を傾げると、ハンジさんが、リヴァイ兵長の肩を肘でつつきながら言った。

「ほら、練習しただろ。ちゃんと言いなよ。も困ってる。」
「…チッ。」

何かよくわからないけれど、私は今、リヴァイ兵長に猛烈に睨まれて舌打ちをされた。
どうしよう、心が折れそうだ。
トロスト区に帰ろう、もしも、エルヴィン団長や調査兵団のみんなが受け入れてくれるのなら、いや、拒絶されても、調査兵になりたいと伝えよう。私はやっぱり、そこがどんな地獄だとしても、みんなと一緒にいたい。
そう、覚悟を決めたはずだったのだけれど、あっさり心が折れそうになっている。
昨日、あれだけ泣いたのに、また泣きそうだ。
今度は、失恋でー。

「お前がもし、戻ってきてくれるなら、おれは…、あれだ。」
「…あれ?」
「チッ。」
「ごっ、ごめんなさいっ。」

よくわからないけれど、また怖い顔で睨まれたので反射的に謝ってしまった。
リヴァイ兵長は何を言おうとしてるのだろう。
いつも以上に何を考えているか分からないし、信じられないくらいの不機嫌で怖い。
私には般若のように恐ろしいそんなリヴァイ兵長を、ハンジさんはまた小突いてしっかり喋ろと叱っている。

「ほらっ!ちゃんと言うっ!男らしく!!エルヴィン団長からの命令だろ!!」
「チッ、分かってる!」

何を命令されたのか分からないが、とてもご立腹のリヴァイ兵長は最後にハンジさんをひと睨みした後、一歩前に出た。
そして、息を吐いてから口を開く。

「お前がもし、戻ってきてくれるなら、おれは嬉しい。」

自分が言われたセリフが信じられなかった。
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