• テキストサイズ

【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第35章 ◇第三十四話◇友人達の強さ【調査兵団入団編】


巨大樹の森へ向かう道中、私は巨人捕獲用ネットと一緒に荷馬車の上に乗っていた。
他の兵士と比べて大幅に体力が劣るため、体力温存のために馬上を避けたというのもあるけれど、そもそも私には馬がない。

「テュランも来たがったんじゃないの?」

荷馬車と並走して自分の馬を走らせ、一緒に荷馬車の上に乗っていたペトラが訊ねる。
彼女の場合は、私が勝手な行動をとらないよう見張りをハンジさんに頼まれたのが荷馬車に乗っている理由だ。

「大丈夫。嬉しそうにミケ分隊長についていったから。」
「え!?シガンシナ区ルート模索班についていっちゃったの!?」

ペトラが驚くのも無理はない。
きっと、拠点である大聖堂でお留守番だと思っていたのだろう。

「ハンジさんが、行ってこーい!て豪快に背中押してた。」
「あぁ…、強制的に巨人捕獲作戦から追い出したのね。」
「可哀想に、テュラン…。」
「仕方ないよ…。テュランがいたら、きっとエレンより先に巨人を捕獲しちゃう。」

さすがにそれはないと思うけれど、邪魔はするかもしれない。
でも、どうやらペトラは本気でそう思っているらしい。
私とテュランの付き合いは短いけれど、それなりに長く調査兵団に在籍しているペトラは、テュランの悪名を見てきたのかもしれない。

「緊張する?」
「ふふ、なんか壁外調査の前日みたいだね。」

私が小さく笑うと、ペトラも、そうだねと笑った。
でも、違うのは、私たちが本当に笑い合っていることだ。
仲直り出来て、本当に良かった。
あの日、ペトラのお願いを受け止めてよかったんだ。
本当はリヴァイ兵長への想いを引きずっているのに、ペトラがリヴァイ兵長に告白することを心から応援は出来ないくせに、平気だと嘘を吐いてしまったけれど、結果としてはあれでよかったんだ。

「少しは緊張感残しておかないと、危険な任務である事実は変わらないんだからね。
 気を付けて、しっかりリヴァイ兵長の指示に従って。」
「了解です。」

先輩兵士らしいペトラの言葉に、私も真面目に頷いた。
気を抜いたら命を奪われるーそういう任務に、私たちは就いている。

「着いたらすぐに作戦だから、今のうちに言っておいてもいいかな。」
「何?」

遠くに見えてきた巨大樹の森に奪われていた意識をペトラに移した。
/ 1058ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp