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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第165章 ◇第百六十四話◇嗚咽【運命の決戦編】


その代わり、デスクの上にある婚姻届けを見つけてしまった。
この部屋に戻ってきたリヴァイは、幸せそうに並んだ名前を、一体どんな気持ちで見たのだろうー。
ハンジは雑に頭を掻いてため息を吐くと、寝室の扉の前に立った。
でも、その扉に触れることはしなかった。
扉の向こうから聞こえてくる嗚咽、そして、愛おしい人の名前を呼ぶ涙声ー。
感情を殺したような顔で立っていたリヴァイは今にも壊れそうで、心配だった。
でもやっぱり、彼を素直に出来るのはだけなのだろう。
だって、この部屋に足を踏み入れた時から、の甘い香りで溢れていたから。
泣けばいい。好きなだけ、泣けばいい。
ハンジは、涙を拭うことはせず、扉に背を向け部屋を出た。
伝言を伝えて、少しだけでもリヴァイの心が救われたらー。
そう思って急いだのだけれど、今はきっと、2人きりでいさせてあげるのがいいからー。

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