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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第162章 ◇第百六十一話◇2人の人類最強の兵士【運命の決戦編】


信煙弾に揺られながら7m級の巨人を数体確認。
彼らを討伐しながら、必死に前へと飛ぶ。
集中的に狙われている私が近くに飛んで来れば、そこにいる仲間まで投石の危険に晒される。
全員を守ることは出来なくても、私は出来る限り超硬質スチールで投石を叩き切った。
超硬質スチールの刃がダメになるばかりだということは理解していた。
でも、今ここで仲間を守れなければ、私が必死に訓練してきた意味がないと思っていた。
だって、これが私の最後の戦いだろうからー。
私は、ただただ必死に超硬質スチールを振り上げ、空を飛んでいた。
そして、私は漸く、あの日のルルの気持ちが分かった気がしていた。

(こんな気持ちだったんだね…、ルル…。怖いね…。
でも、なんでだろ。後悔はない。幸せだなって思うよ…!)

真っ直ぐ飛ぶ先にいるのは獣の巨人なのに、大切な人達が笑う未来が見えるのだ。
そうやって、少しずつ獣の巨人との距離が近づいていたそのときだった。
信煙弾の中を突き進んでいると、目の前に投石が現れた。
あまり大きな石ではなかったけれど、猛スピードで飛んでくるそれが当たればきっとひとたまりもない。
でも、それはすぐそこまで迫っていて、私に避ける暇はなかった。
ここまでかー。
そう覚悟した私の目の前に飛び込んできたのは、テュランの背中だった。
必死に飛び上がったのだろう。
前脚を上げて、彼は私を守った。
テュランの右腹のあたりを投石がえぐる。
悲鳴のような声を上げたテュランが倒れるその横を、私は振り返らずに飛び越えた。

(テュラン、ありがとう…っ。)

泣くことは許されない。謝るところでもない。
テュランと共に走った時点で、私は彼の命も一緒にかけていたのだからー。
それでも、感謝だけは心からして、私は彼の分まで飛んでいく。
そして、私が飛ばしたアンカーはついに獣の巨人の肩を捉えたー!
一気に天に飛び上がるように跳ねた。
獣の巨人の視線も一緒に上がる。
そうやって、私はヤツの視線を独り占めにしたー。
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