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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第162章 ◇第百六十一話◇2人の人類最強の兵士【運命の決戦編】


騎馬特攻が一斉に走り出す。
信煙弾が放たれた中で、1人の兵士が飛び上がった。
超硬質スチールを逆手に持ち、7mの巨人を討伐しては、次の巨人へと飛び移る。
その度に、仲間へ向かって飛んでくる大きな岩を超硬質スチールで叩き切ってもいるいるようだった。
本当に、仲間を守りながら、誰よりも前で戦うつもりらしい。
獣の巨人もその兵士に気づき、狙いを定めたようだった。
すべて、彼女の作戦通りだー。

「エルヴィン、お前はちゃんとそこで果報を待ってろよ。」

とりあえずの作戦の成功を見届け、リヴァイも自分の持ち場へと歩みを進める。
作戦実行中、エルヴィンには、後方の建物の陰で待っていてもらうことになっていた。
それは、の最後の我儘だった。
新兵達にとって、自分ひとりが悪者になっても構わない。
だから、エルヴィンは一番安全なところで見ていてほしい。
そう言って、聞かなかった。
それは、調査兵団の団長の命を守りたかったからなのか。他に理由があるのかー。
恐らく後者なのだろう、とリヴァイは思っている。
のことだからきっとー。

「リヴァイ…、本当にすまない。俺はー。」
「謝らないでくれ。」

リヴァイは、一度立ち止まった。
でも、振り返ってエルヴィンの顔を見ようとはしなかった。
たぶん今は、見ない方がいいと思った。
リヴァイにとっても、エルヴィンにとってもー。

「の覚悟を、謝らないでやってくれ。」
「…。」
「ただ…、の生き様を見てやってほしい。」
「…あぁ、そうだな。
 強いな。お前たちは本当に、強い。」
「は…っ、俺はいつだって、には敵わねぇよ。」

リヴァイは拳を握り、今度こそ歩みを進める。
必死に刃を振るい辿り着いた先にいるのは、じゃないのにー。
獣の巨人なのに、行くしかない。
そこにはきっと、地獄しか待っていないと知りながら、歩みを止めることは出来ない。
たくさんの犠牲の上に、自分が立っていることを、調査兵達はみんな、知っている。
悲しいくらいに、知っているからー。
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