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【IdentityV】ゲーマーでオタクで何が悪い【第五人格】

第4章 何故こうなった。


言い切った、本音は言った。後悔はしてない。とルキノをガン無視で草むらから抜け出す方法を模索する悠斗。精神状態も安定し、半ばやけくそである。

然しそれを見たルキノは放るのでもなく、吊るのでもなく、ただただ興味深そうに目を細め見ているのみだった。

頬に手を付き、足を組み、古い小屋の窓枠に腰をかける。

それはじっと獲物の機会を伺う捕食者か、好奇心の賜物の探求の目か、悠斗には分からない。ほかのサバイバーがここに居たとしても分からないだろう。分かるのはルキノ、張本人だけである。

その視線の威圧か、ただ不器用なだけなのか、悠斗は数分しても抜け出せない。斬ることも、刀を抜く事が出来ずかなわない。

とうとう息切れとともに抜け出す努力を放棄し、身体に任せ倒れ込む。

ルキノ「なんだ、駒鳥の悪あがきはオシマイかな?」

目を細め、ニタァという笑顔を向けるルキノ。
ルキノは悠斗が怯えるか、怒りの表情か、落胆した表情を見せるとふみ、笑顔を向けた。

しかしそんな考えとは裏腹に

「駒鳥とか気持ちわりぃな。誰が小鳥じゃ。抜け出せないもんはしょーがねぇだろ...吊る気ないならくっだらない俺の話付き合ってよ。……暇だし」

悠斗は笑みを浮かべた。捉え方によってはニヒルな笑みだろう。

それにただただ驚くルキノは、数秒固まったが、その後笑みを浮かべる。

ルキノ「気が変わった。今日は試合を放棄しよう。君と話していた方が実に有意義な時間となりそうだしな。飽きさせないでくれたまえ、駒鳥」

「だから駒鳥じゃねぇ。」

ルキノ「私が人に心を惹かれるなどとうにないと思っていた。実に面白い」

「聞いてねぇな」

ため息をひとつつくと、さて何を話したものかと模索する。

しかしまあ、こんな科学者が相手だ。本当にあった非現実的な、非科学的な事を、そう、俺がここに来る経緯を第三者視点で教えたら面白い反応を見せるのではないかと妙案を思いつく。

そうだ、それがいい。とクスリと笑みを隠すと、話を切り出す。

「今から話すことを信じるか信じないかはルキノサンしだい。とーっても面白い話だからちゃんと聞いてよ?」

ルキノ「ぁあ、聞くとも。」

ルキノは目を開眼し、興味深そうに悠斗を凝視した。
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