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【IdentityV】ゲーマーでオタクで何が悪い【第五人格】

第3章 ハンターに会いに行こう。


ジョセフ「……フフフッ」

「?」

刀を首に当てられているというのに笑い出せる余裕があるこの人は、やっぱり素直に凄いと思う。

クルリとコチラに顔を向けてくる。両者顔を見るのはこれが初。あっ、全眼めっちゃ綺麗。

ジョセフ「……へぇ、綺麗な顔してるんだね」

すっと頬にジョセフの手が添えられる。

「母似なもので。」

ジョセフ「そんなに気張らないでよ。もう君を傷つけたりなんてしないからさ」

首元に当てていたナイフの持ち手に力が入ったのを察したのか、やれやれと言った様子で宥めてくる。いやお前……くっそ解せぬ。これだからイケメンは。

渋々小刀を下ろし、少し距離を置く。

しかしその距離をジリジリと詰めてくるジョセフ。

いつの間にか壁際に追いやられていた。

「な、なんだよ。」

もうタメ口でいいんじゃないかと割り切って、話す。

首元に手が添えられ、身体が恐怖感を覚える。
首は人間の急所。急所ほど晒されて恐怖感を覚えるところはないだろ。

生まれたての子鹿同然で、しかし顔はジョセフに負けてたまるかという意気込みだけで、彼の方へ向いている。

すると数秒で、その手は離れていった。

「???」

何がしたいんだこいつは。

ジョセフ「サバイバーの君が、何故ここに来たんだい」

ぁあ。

「リッパーさんに用事があったんだよ。で、迷ってた」

ジョセフ「彼なら僕の部屋の向かいの部屋だよ。ほら、そこ」

指をさされた方向を見ると、確かにリッパーサイズの大きな扉と、見えずらいけど筆記体でリッパーって書いてある気がしなくもない。

てか恥ずかしすぎる。この距離で迷ってたのか俺。
「……あ、ありがと!!じゃあな!!」

再び逃げ出すように、ジョセフを押しのけて部屋の前まで向かう。
その俺の後ろ姿を、品定めするような目で見ていたジョセフがいたそうな。

・--・-・--・-・--・-・--・-

「……」

コンコンコン

『はい』

聞き覚えのある声が部屋の中からして、とてつもない謎の安心感を覚えた。

「えっと……最後試合した、俺だけど。コート返しに来た、から、開けてくれ」

ぎこちないが、しょうがない。

するとすんなりと大きな扉が空いたので、とりあえず思いっきり抱きついた。
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