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[おそ松さん][カラ松]カジノの歌姫

第1章 来訪者


「どこへでも行け」

女はカラ松に抱きつこうとしたが、SPに阻まれた。SPをにらみ付ける女。

「あなたのそばに置いてよ」

するとチョロ松が言った。

「この女、赤坂財閥の娘だよ」

「ちょっ?!」

チョロ松は情報収集のエキスパートだ。

「なるほど、まんまとしてやられたわけか」

おそ松がさっきの出っ歯を捕まえてきた。

「こいつもグルだ」

「キーーッ!!うまくいったと思ったのに!台無しザンス!」

ポケットの小切手をライターの火で燃やすおそ松。

「オーナー。見極めなきゃ、ダメだろ?お兄ちゃん、困っちゃうよ?」

「すまない、おそ松」

女が慌てて取り繕う。

「た、確かに財閥の娘よ?!でも、あなたが好きなの!」

カラ松は帽子の前つばを下げる。

「レディー。残念だが俺は、嘘つきは嫌いでね」

「こんなカジノ、お父様の財力で潰せるのよ?!」

「ふっ。ますますあんたが嫌になったぜ」

「今のセリフ、録音しておいたから」

一松がポケットからボイスレコーダーを見せる。

「……後悔しないことね」

「こっちのセリフだぜ、ギルトレディー。俺を陥れようとした罪は、重いぜ」

「女にだらしないと思ってたけど、とんだ食わせものね」

「ノンノーン。腕のいいブレインがいるってだけだ。あと、SPもな」

「必ず潰してやるわ」

「楽しみにしてるぜ」

女が去ると、新たな葉巻に火をつけた。

「あの人、また来るよね」

トド松がニヤニヤしながら言う。カラ松はSPたちに目を向けた。

「また追い返すだけさ。なぁ、お前ら」

「さて、今日はもう店じまいして、幹部会議しますか」

おそ松たちがカジノの奥へと入って行った。SPもそれに続く。

会議室の中は、SPも入室できない。まさに幹部、おそ松たちだけの会議だ。ドアも重厚なため、声が漏れることはない。SPたちはドアの前で待機する。

「さっきの女の詳細だけど」

チョロ松が言い始めた。

「赤坂財閥の一人娘だよ。わがまま放題で育ってる。親も娘のためならなんでもするよ」

続けておそ松が発言する。

「ただし、父親は相当なあくどい手口を使って相手を潰しにかかる。前にプール付きカジノが、プールに毒が入ってたとかで潰れたろ?あれも赤坂財閥の仕業だ」

「あの令嬢は、金に物を言わせてくるよ」

「嫌なタイプだな」

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