第4章 プール付きカジノ
「○○ちゃん。ほんとにこんなのでいいの?お兄ちゃん心配だよ?」
おそ松たちの心配をよそに、カラ松は実に嬉しそうだ。おそ松たちの心配も当たり前で、プールの壁に富士山が描いてある。
「銭湯、だね」
「張ってあるのもお湯だしね」
「でも、面白い!」
歌姫たちには概ね好評だ。
「ふふーん。それだけじゃないぜ?」
カラ松がスイッチを入れると、底に仕掛けられたライトが光る。
「……………ったいよねぇえええ!!」
「空っぽカラ松は健在、か」
「あははは!楽しいー!いっちばーん!」
バッシャーン!
○○が飛び込んだ。
「あっ。姉さん、ずるい!にばーん!」
次々に飛び込む歌姫たち。
「おお、まるでマーメイドだ」
「ダーリン、早く!」
「おう、今行くぜ!」
自分たちの花嫁に呼ばれたおそ松たちも、プールに飛び込んだ。
「わあ気持ちいい!」
「クソ松にしては上出来…壁は駄目だけど」
コツン
「いたっ」
「一松さん。駄目でしょ?ほんとは大好きなくせに」
「は?だれg」
一松の花嫁は、一松を抱き寄せた。顔が柔らかな胸に包まれる。
「素直になって?私の旦那様」
そう言って、口付けた。みるみるうちに真っ赤になる一松。
「……兄貴なら兄貴らしくさ、もっと強くあって欲しいんだ。あいつすぐ泣くし、優しすぎて…」
「だそうですよ、カラ松義兄さん」
「そうなのか。だが俺は、兄弟たちを傷つけたくないんだ」
○○はカラ松の頭を撫でた。
「優しい優しい、私の旦那様。たまには気持ちを吐き出すのも、大切よ?私がずっと側にいるわ。だから一人で抱えないで?」
「○○……ありがとう」
○○の暖かい微笑みに、カラ松の心がほどけていく。
「俺も、甘えたーい」
「ふふ。おそ松さんったら」
おそ松の花嫁がおそ松の頬を両手で包み込む。
「いつもお兄ちゃん、お疲れ様」
「…ほんとだよー。お兄ちゃんお兄ちゃんて、疲れるよ。たまには弟やりたいー」
「そうね。じゃあ私が一人っ子気分を味わわせてあげるわ」
「わーい、ママー」
「よしよし」
「私の前ではカリレジェ、しなくていいのよ」
「うん!でへへー」
「うわー…。兄のああいう姿、見たくなかったなー」
「チョロ松さん」