第1章 an encounterー出会いー
「おじさん、どこ行ってるの?」
おじさんに手を引かれながら、キョロキョロ辺りを見渡すラル
でも、そこはやっぱり知らない場所で
どんなにおじさんを呼んでも、おじさんはただ、前を見て歩くだけ
「ねぇ!おじさん!!」
どんなに声を張り上げても、おじさんは振り向かない
だんだん不安が募っていくラル
「おじさんってば!!!」
大声を出しておじさんを呼ぶラル
すると、ピタッとおじさんの足が止まった
ホッとラルは安心したのも束の間
おじさんはラルを見て怒鳴った
「うるせぇんだよ!!!糞ガキ!!黙って着いてくればいいんだよ!!!」
「ヒッ!」
さっきまでニコニコ笑っていたおじさんとは一変…
険しい顔をしてラルを怒鳴るおじさんに、ラルはブルブルと、震え出す
そして、またラルの腕を引きながら歩き出したとき
「何してやがる…。」
誰かがおじさんの足を止めた