第1章 an encounterー出会いー
ラルside
目を閉じているから、周りは真っ暗で何も見えない
ラルはリヴァイの言われたことを守って、ギュッと目を瞑っていた
すると、ポンポンと誰かから頭を撫でられた
それがリヴァイの手だということを理解するのに、時間はかからなかった
だって、頭を撫でられた時に感じたぬくもりは
確かにリヴァイのものだったから
私が安心するリヴァイのぬくもりだったから
ズルッズルッという音が聞こえる
リヴァイは足を撃たれたから、足を引きずっている音だということも直ぐに理解した
そう考えるとラルは、頭がいいのかも知れない
いや、頭がよかったら、こんなことにはならなかったのだから、頭は悪いのか
すると、リヴァイの声が聞こえた
「随分と可愛がってくれたもんだな?お陰で血まみれだ。」
そして、命乞いをするおじさんの声も
「ゆ、許してくれ!もう、こんなことはしねぇ!」
「わりぃな、俺は、そこまで優しくねぇんだ」
そのリヴァイの言葉を最後に何も聞こえなくなったかと思えば
バキッ
「ガッ!」
と、なんの音かわからない音と、おじさんの声が
それからも、
ボキッ
バキッ
ボゴッ
その音は暫く続いた