第9章 私だけのサンタクロース(東堂尽八)
しかしあっという間にその体温は背中から離れ代わりに首元にヒヤリとした感覚が。
感覚があったあたりを目の前にあった鏡を通して見てみると可愛いハートモチーフのネックレスが光り輝いていた。
「うむ。やはり似合っているな。このネックレスにして正解だ」
「これ、私に?」
「他に誰がいるというのだ。これが本当のクリスマスプレゼントだよ」
「ありがとう。すごい嬉しい」
私は鏡越しに笑顔でお礼を伝える。
すると尽八は一瞬何かを考え込んだかのように黙り込んだ。
そして私の耳元で何かを思いついたかのように急に囁き始める。
「茉璃、オレにもクリスマスプレゼントをくれまいか?」
「え、プレゼント?あぁ、そうだちょっと待ってて」
私はすでに準備をしていた尽八へのクリスマスプレゼントを取りに行こうと立ち上がる。
だが尽八はそれをさせずに私の手を引きもう一度尽八の前へと座らせた。
「尽八?プレゼント、取りいけないんだけど」
「プレゼントならここにあるではないか。茉璃、オレはプレゼントにはお前が欲しい」
そう言いながら尽八はまた背後から私を強く抱きしめた。
そしてそのまま首筋にキス。
そのキスが少しくすぐったくて思わず甘い声が自身の口から漏れた。
すると尽八は嬉々とした表情で部屋着のボタンに手をかけた。
「待って、尽八」
「残念だが待てそうにないな」
尽八は身を捩る私の向きを変え正面を向かせると先ほどしたのとは全然違う種類のキスをした。