第8章 聖なる夜に(荒北靖友)
風呂から上がって来た茉璃のバスローブ姿はオレの予想を遥かに超えていた。
今にも立ち上がろうとしている自身を隠し逃げるように風呂に入った。
風呂から上がるとまだそわそわした様子の茉璃が室内をうろちょろと歩き回っていた。
オレはそんな茉璃を眺めながらドカッとベッドに腰掛けた。
「そんなウロチョロしてないでこっち座ればァ?」
オレは自分の隣をトントンと叩く。
すると茉璃はビクッと肩を震わせ恐る恐るこちらを見た。
そりゃあこういう反応にもなるだろう。
付き合って2ヶ月、キスまではしたがその先には一向に進めていないのだから。
「おめーが嫌がるようなことはしねーよ。だからさっさと来い!」
そう言いながら茉璃の腕を捕まえ隣に座らせる。
すると突然、茉璃はオレのバスローブの裾をギュッと握りしめた。
「…い…じゃ…いよ…」
そのボソッと呟かれた茉璃の声は小さく聞き取ることができない。
「ん?なんだ?」
「だから…その、嫌じゃ、ないよ。靖友と、するの…」
その言葉を聞いてオレの理性は崩壊していく。
オレはすぐに茉璃をベッドに押し倒し強引に唇を重ねた。
「んっ、やす、とも…っ!」
「おめーがわりーんだ。んな可愛いと食っちまうぞ」
少しだけはだけたバスローブが妙にエロい。
オレはそのはだけて露わになった鎖骨にカプッと噛み付く。
その瞬間、茉璃はビクッと跳ねさせ甘い声をあげた。
途端に茉璃は自分から出たその甘い声に驚き口を塞ぐ。
そんな彼女の可愛い姿を見て止まれるはずがない。
「や、すとも…その、私、初めてだから…優しく、してね」
そう遠慮がちに言う茉璃は死ぬほど愛おしい。
「当たりめーだ。大事にゆっくり食ってやるよ」
オレはブレスレットのつけられた手を握り優しくキスをする。
聖なるクリスマスの夜、俺たちはゆっくり大事に愛し合ったのだった。