• テキストサイズ

弱ペダ短編集

第5章 あいつに似た彼女(東堂尽八)


「観覧車?」

彼女はそう言いながら目の前にある大きな観覧車を見つめていた。
このショッピングモールには結構立派な観覧車がある。
この観覧車から見える景色が絶景だということはリサーチ済みだ。
茉璃の手を引き乗り込むとオレらは向かい合って座った。

「なんで観覧車?」
「こういうのは雰囲気が大事だろう?」
「ふぅん。」

彼女は不自然にオレから視線を外すと外の景色を見つめる。
その横顔は何とも美しい。
美形のオレがいうのだから間違いないだろう。

「茉璃。オレは茉璃のことが好きだ。愛している」

改めて気持ちを伝えると彼女は外を見つめたまま頰を赤く染める。

「だから、オレと付き合ってはくれまいか?」
「私、無表情だし一緒にいても楽しくないよ?」
「最近オレには色々な表情を見せてくれるだろう?それにオレは茉璃といるのが心底楽しいよ」
「私と付き合ったら女の子たちに幻滅されてファンがいなくなっちゃうかも…」
「幻滅などさせないさ。それにオレはお前と一緒にいられるならファンが0人になっても構わない」

オレがそういうと彼女はさらに顔を赤くした。
そんな彼女の手を握りそっと顔を近づける。

「ダメか?オレでは」
「っ!…ダメ…じゃないです」
「フッ。また見たことのない顔だ」
「うるさい」

オレはそっと彼女の赤くなった頰に手を添え柔らかそうなその唇にそっと口付けた。

「なぁ茉璃。茉璃はオレのことどう思ってる?」
「…好き」

真っ赤な顔で俯きながらそう答える彼女の顔をクイっと上げまた唇を重ねる。

「…バカ」
「あぁ、バカで構わんよ」

オレらは顔を見合わせ笑い合いまた唇を重ねたのだった。



fin.
/ 74ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp