第9章 捌ノ刻~百年来の友~
恋「誰だテメーは!!」
一「黒崎一護、テメーを倒す男だ。よろしく!!」
バカでかい斬魄刀。派手なオレンジ色の髪の毛。…雰囲気は志波海燕副隊長によく似ている。…不思議な人間だ…黒崎一護。
恋「おい、お前の斬魄刀の名はなんだ」
一「あ!? 名前!? そんなもんねェよ。お前ら名前でも付けてんのか?」
恋「やっぱりな…そんなもんで俺に勝とうなんざ…二千年早ェよ!! 咆えろ《蛇尾丸》!!」
勝負はついた。そう思った。だが黒崎一護は立ち上がり、異様な霊圧の増加量をみせ、そして恋次くんを圧倒し始めた。
(…黒崎一護、面白い人間かも)
黒崎一護が恋次くんに一太刀入れようとした瞬間、彼の持つ斬魄刀の刀身が消えた。刀身は、私の隣にいる朽木隊長が持っていた。
(…相変わらず速い)
そして、黒崎一護は朽木隊長の凶刃によって倒れた。
恋「解錠!」
かくしてルキアちゃんは尸魂界へと連れ戻すことができたわけだが…
空座町-
降りしきる雨の中、私は黒崎一護の傍に立っていた。朽木隊長をはじめとする死神たち一部は、朽木ルキア処刑の報を良く思っていない者もいるだろう。私自身も、ルキアちゃんを救いたい。だが尸魂界の住民…ましてや護廷隊士一人がどうにかこうにかできる問題じゃない。
(…黒崎一護)
きっと彼ならば…何とかしてくれるかもしれない。希望の欠片は彼が握っているのかもしれない。そんな思いを馳せて、私は彼を浦原商店へと運んだ。
浦「まあ…ウチは別に大丈夫ッスけど…懍サンは大丈夫なんスか?」
「何とかなりますよ。私結構強いんで」
浦「そこの心配をしているわけではないんでスけど」
「ルキアちゃんの為に…お願いします!」
浦「もとから治すつもりでしたし、それはいいんスよ。ただ、アナタならひとりで瀞霊廷を相手にできるはずッス。何でわざわざ黒崎サンと?」
「確かに救おうと思えば救えるわけですけど…何か裏でとんでもない何かが動いている気がするんです。何かは分かりませんけど…まるで百年前のような感じがして」
浦「…そうッスか。ま、とりあえず黒崎サンのことは任せておいてください。その後に、懍サンにはみっちり働いてもらいます」
「はあ…お手柔らかに頼みますよ」