第1章 生きて
爆発を見守る。鼓動はバクバクとうるさくて、呼吸は上がってうまく息ができない
そこに、彼はいた
”火拳のエース”
紛うことなき炎に身を包んだ彼とルフィ、そしてミスタースリーは着地する
スクアード達がこの船にのって来なかったのを見るあたり、オヤジのことを信じたのだろう。
ホッと息をつきながら、それでもやはり出された最後の船長命令に、隊長達だけはやはりというように何も言わなかった。
何人かの隊長格が先導してみんなは退却していく
マルコやイゾウさんは
私はそちらを見た瞬間..走り出した
心臓が冷えきっていく感覚がする。今見ている映像がまるで現実ではないかのように体から離れていく。
__2人は黄猿と青キジに、足止めされていた
クソ、そうだよな。こういう状態だったらそうなるよな、走って船から降り、エースの方へ向かう。
そこにはもう_拳が振り上げられていて、白ひげが青キジと黄猿を一手に引き受けたのが視界の端に見えたが..ダメだ、間に合わない。
やけに振り上げられた拳がスローモーションに見えて
やめて!
いやだ、いやだエースが死ぬなんて、せっかくこの世界にこれたのに、まだお話もしてない、まだ笑った顔も見れてない、ご飯を食べてる時に寝るのはガープさん譲りだし、笑った顔は太陽みたいで、ずっと恋してきた、ずっと届かないと思ってた、死んでた事が受け入れられなかった、そんな彼が目の前で”まだ生きている”のに、なんで私には助けられないのか、なんで私には力が無いのか、チートだとか万能悪魔の実だとか幼少期から一緒に鍛えられるだとか、そういうアドバンテージを一切貰えないのか、こんなことなら運動しとけばよかった。
やだ、諦めたくない、走れ、間に合わないことはわかっているのに、視界が涙に濡れても走ることをやめられない。
走れ、走れ、__あぁ、せめてあの間に入れたら
地を蹴ったその瞬間、浮遊感が私を襲った