第12章 おはようの挨拶より最優先
うっすらと涙ぐんだ瞳。
八の字に下がった眉。
紅潮した頬。
さっきまで自分の目に不安そうに見えていた美奈子の表情は何も変わっていないのに、今は色めき艶絶なそれにしか見えない。
紡がれた言葉は今彼女が見せる恥じらいと辿々しさとは完全に相容れない気がした。
「……もう…」
「…琉夏ちゃん…?」
わざとらしく大きく息を吐けばすぐさま心配そうな瞳がこちらを窺う。
「まったくもう…ヒーロー降参、美奈子には敵わない」
「え?」
首を傾げ分からないと言わんばかりの美奈子
そんな美奈子に琉夏はひと息つく。
「お前は最高にエッチで、最高に可愛いってこと」
「え、あ、エッチ…って!もうっ…琉夏っ…ちゃんンッ!?ゃあ…っん!」
「…ゆっくり、がいいんでしょ…?」
「ふっ…ぁっ…あ、んく…っ」
「俺も、美奈子のなか…ゆっくり、全部感じたい…」
「は、あ……っ…琉夏…っぁ、ちゃんっ…」
吸い込むように収縮し蠢く内壁を掻き分け腰を進めた。
ゆっくり、ゆっくり。
震える美奈子の腰に爪を食い込ませないよう気を付けながら。