第12章 おはようの挨拶より最優先
キュッと琉夏ちゃんの指がイルカの柔らかな毛並みを握る。
心なしかイルカも気持ち良さそうに見えてちょっとだけ嫉妬した。
「ってバカだな、私」
ぬいぐるみにヤキモチって…。
自分自身に軽く苦笑いをしてから、ずっと眺めていたい欲求をどうにか抑え込み静かに洗面所へ向かった。
ファンデーションを叩きながら寝癖ではねた髪をどうしようかとぼんやり考える。どうにかアイロンで伸ばすかそれとも巻き髪にしてみるか。
きっと琉夏ちゃんならどちらでも褒めてくれそうだ。
優しいから。
ふとさっきの琉夏ちゃんの姿が脳裏に甦って一人で笑いを噛み殺した。
でもいつもは私があんな風に抱かれてるんだよね…。
ギュッと閉じ込めるみたいにきつく抱かれて眠りにつくのはすごく心地好くて大好きで、身体に染み付いた感触を思い出しただけで胸が高鳴る。