第2章 あなたに包まれたくて
その頃、琉夏は十日振りに会える愛しい美奈子が待つ自宅に向かっていた。
夜勤やら緊急オペ
急患など美奈子と十日ほど会えないでいた。
日はどっぷりと暮れ、いつの間にか月が頭上を照らしていた。
美奈子はきっと夢の中にいる事だろう。
ふにゃっとした無防備な妻。
数日は休みをとり、休みの間は朝昼晩どんなエッチしようか想像しニヤニヤが止まらない琉夏。
「ただいま。」
玄関の鍵を施錠しキッチンへ向かい
冷蔵庫からミネラルウォーターをゴクゴクと飲み終えた琉夏。
まずは寝顔でも拝見しようと
寝室の前に来ると、声が聞こえピタリ…と動きを止めた。
「っ…琉夏くん…」
微かに美奈子の声がする。
その声にハッとし、美奈子が自分の帰りを自分の部屋で待っていた事に気付いた。
口元がにやけそうになる。
一刻も早く会いたいと思って帰って来てみれば、美奈子も同じ気持ちで寝ずに待っていてくれた。それだけで、疲れも吹き飛ぶような気持ちになる琉夏。
しかし、待っているだけと言うには様子が可笑しい事に直ぐに気付いた。
「んっ…はぁ…っ…」
情事の際にしか聞いたことの無い、艶めかしい甘い声が微かに耳に届く。
「…。」
寝顔しか見れないと思った矢先、その甘い声を聞くと無粋に寝室のドアを開けるなんて事は出来ない…と、妙な使命感が生まれた。
こんな良いもの、見ないわけには行かないでしょ。
と、心の中でニンマリと笑うと、そっと美奈子の様子を覗き見る事にした琉夏。
「ん…琉夏く…ん…」
誰も居ない部屋の中。
自分の服にくるまって小さく身体を丸めている美奈子。
愛しい人が自分の服にくるまって寂しさを紛らわせている、それだけでも随分と愛しさが込み上げ、琉夏は胸をチリチリと焦がされるような気がした。
ぴく…ぴく…と小さく身体が揺れるのを見るに、やはり美奈子は1人で楽しんでいるようだ。
「んぅ…ふ…」
服の端から微かに見える美奈子の表情は切なげに眉が顰められており、それだけで琉夏の欲情を煽った。
はらり…と、美奈子の身体を隠す琉夏の服が肌蹴ると、細く白い太ももがちらりと顔を覗かせた。