第9章 看病
下校途中に他校に絡まれて、
相手がナイフ持ってるのに気づいた美奈子が琉夏の前にでるが、琉夏がさらに庇った結果になった。
その後病院にいき、深かった傷を縫われた琉夏は数日は安静にするように言われたのだった。
肩に刺さった傷から思いがけず出血していたらしかった。
確かに、服はズボンまで濡れてたな。とぼんやり考えていると、廊下の奥からバタバタと慌てて走ってくる足音が聞こえてきた。
「ああ…目、覚めたのね」
あれだけ走れれば心配は要らないな。と、思わず笑みが溢れた。
美奈子が無事ならば別にこの傷のひとつやふたつなんという事も無い気がした。
個室の扉が開くと、其処には涙を流した美奈子が立っていた。
どうやら顔にも身体にも傷は無いようでほっとした気持ちになった琉夏。
「うっ…る…琉夏…ちゃ…うっ…ごめ…なさ…」
「何泣いてるの。顔、凄い面白いけど」
顔から出るものが全て出るんじゃないかと言う位にえぐえぐ泣いている美奈子の姿が、余りにも可笑しくて琉夏はクスクスと笑うのを止められなかった。
目が覚めて状況を聞き、慌てて走ってきたのだろう。
「いきてて…よかっ…たっ…」
「はいはい。怪我はない?」
しゃくりあげながら、えぐえぐ泣いている美奈子は、そのまま琉夏のベッド脇にある椅子に腰を抜かしたように座り込んだ。
「ごめんなさ…い…本当にっ…ごめんなさい…」
肩と胸に巻かれた包帯が痛々しく、美奈子は自分を守る為に、琉夏に負う必要も無い怪我を負わせた事を深く後悔していた。
琉夏の手を握りしめ、何度も何度もごめんなさいを繰り返していた。