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【OP】掌の隙間から水が零れ落ちるように、

第2章 いつだって神様は 私に微笑んでくれたことはなかった



01 さよならもいえぬまま、


「お前、どこからきた?」

「…え?」

目が覚めるとそこは、赤い髪の目に3本の傷がある、男の人がいた。後ろには綺麗な海と大きな船が見える。何故今海が見えるのか、検討もつかない。


遡ること数刻前、私は1Aの皆と夏休みの強化合宿を行なっていたのだ。そこで私の個性である 刻 を強化するために訓練を行っていた。そしてその夜、息抜きもあったのだろう、補修組でない生徒たちは肝試しを行っていたのだ。もちろん私も参加していた不本意ながら。
しかしその肝試しの最中、敵(ヴィラン)襲撃にあってしまったのだ。そして私と爆豪くんが敵の手に、捕らえられてしまった。

そこから何故、この状況になるのだろうか。


「…貴方たちは、敵、ですか?死柄木弔の仲間?」
「ヴィランってなんだ?お前、ルフィが言うには突然現れたらしいぞ。」
「…ルフィ?」

このガキだ、と1人の幼い少年が、赤髪さん(でいいや名前知らないし)の後ろから出てくる。

「おめー、なんかビー玉みたいなのが空からこつんって落ちてきて、そのビー玉が急におめーになったんだ!」

ビー玉になれるのか?と不思議そう聞いてくるルフィくんという少年。
残念ながら私にはビー玉になれる個性はない。あの、マジシャンのような敵の個性だろう。拐われるとき、そういう風にされた記憶はある。しかし、そのビー玉ら私になったということは、個性が解けたということだ。

「…敵(ヴィラン)というのは、世間一般でいう、所謂敵(てき)のことです。私はその敵を倒すヒーローになるべく、学校へ通っている学生です。」
「ヴィラン…ヒーロー…?」

書き慣れないのか赤髪さんとルフィくんも、頭にはてなを浮かべているのがわかる。敵もヒーローも、常識であろうに。なんならこの赤髪さんは、私を拐ったのではなかったのか。

「シガラキトムラってのは?」

後ろから髪をひとつにまとめ、煙草を吸っている男性がやってくる。赤髪さんが「ベック、」と呼ぶ。

「…貴方達のお仲間では?敵のリーダーじゃないんですか?」
「俺らはそのヴィランっていうんじゃなくて、海賊だぜ?」
「そうだ!シャンクスたちは海賊だぞ!そんなわけわかんねーのと一緒にすんな!」

……海賊、とは。

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