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ドラゴンボール/ラディッツ/地球人ヒロイン

第1章 崩される計画


尻尾を一振りすると腰に巻き、キッチンに入る
テーブルには数種類の料理が並べられていた
この量を短時間でどうやって作ったのだろう
料理を作るのが好きなのだろうか
そう思いながら椅子に座ると、ルクリアがもう1枚、皿を端に置く

「これで足りますか?」
「ああ……い……いただきます」
「はい、遠慮なくどうぞ」

ルクリアが微笑み、正面のイスに座った
特に会話も無く自分が食べるのをじっと見ている
空いた皿が増えると側に来て片付けてくれた
30分程で全て平らげてグラスに注がれた水を飲む
皿をテーブルから下げたルクリアが微笑んでこちらを見た

「どうした?」
「気持ち良いくらい食べてくれましたね。嬉しいです」
「そう……か?」
「はい。ありがとうございます」
「礼を言うのは……俺の方だろうが」
「とんでもないです」

そう言い、再び背を向けると蛇口から水を流した
食器を洗う音を聞きながら窓の外を見る
既に日が落ち、空は暗い青色に変わっていた

「カカロット探すのは……明日にするか」
「そう言えば……今日はどこで休まれるんですか?」
「乗ってきたポッドだな」
「ポッド?」
「1人乗りの小型宇宙船だ。寝るには少々狭いが……」
「じゃあ、泊まっていってください」
「何?」
「部屋なら沢山ありますから」
「……」
「……」
「……じゃあ……世話になる」
「はい!ちょっと片付けますから待ってください」
「お、おい。お前、足は……」
「大丈夫です。薬を塗りましたから」

そう言い、手についた泡を流すと布で拭きながらキッチンを離れる
リビングの階段を駆け上がる姿を見送り、頭を掻いた

「……だから、俺は何をやっているんだ……」

先程呟いた言葉と同じ事を呟いて溜息を吐く
カカロットを探し出して惑星の侵略に行かなければならない
だが、ルクリアの顔を見ているとそれがどうでも良いような事に思えてきた

「……どうしちまったんだろうな、俺は……」

通信機能を遮断しているスカウターに触れ、目を閉じる
会話が筒抜けの状態だったらベジータに何を言われただろうか

「……はあ」

ラディッツは再び溜息を吐くと残った水を一気に飲み干した
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