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ドラゴンボール/ラディッツ/地球人ヒロイン

第3章 記念写真


スタッフに言われた通りにルクリアが椅子に腰を下ろす
床に付けられた印の上に立つとカメラの方を見るように言われた

「ラディッツさん、笑ってくださいね」
「あ、ああ……」

ルクリアの言葉にそう返事をする
だが、さっきの様に自然に笑う事が出来るだろうか
視線を下に落とすと彼女が自分を見上げて微笑んでいた
両手の人差し指を口の端に当てると軽く上げてみせる
それを見て自然と笑みが浮かんだ
笑った事に満足したのか、ルクリアがカメラの方に顔を向ける
自分もカメラの方を向くと少しの間をおいてフラッシュが光った
そのまま4、5回同じ写真を撮るとルクリアが立つように言われる
椅子が片付けられ、ルクリアが撮影用の台を下りた

「お、おい」
「1人の写真も撮っておかないと。記念なんですから」
「……」

その言葉に、仕方なくカメラの方を見る
先程と同じくらいの回数のフラッシュが焚かれた
ルクリアがじっとこちらを見ているのが分かる
何だろうと思っていると、カメラマンが顔を上げた

「はい。ではまたお2人で撮りましょう」
「もお。ラディッツさん、笑ってなかったですよ」

ルクリアがそう言いながら側に戻ってくる

「そうか?」
「そうです」
「……気付かなかった」
「じ、自分の顔なんですから……気付いてください」

その言葉に困ったように頬をかく
ルクリアが苦笑すると、スタッフに自由にポーズを取るように言われた

「……立ってるだけっなのはつまらんな」
「そうですね。どうしま……っ!」

言葉の途中でラディッツに抱き上げられた
驚く自分を見て意地悪そうな笑みを浮かべる

「笑えよ、ルクリア」
「は、はい」

行き場の無い両手を股の上に置いてカメラの方を見た
微笑ましく自分達を見ているスタッフに気恥ずかしさを感じる
気持ちを落ち着かせながら笑みを浮かべると、シャッターが下ろされた
先程と同じように5枚ほど撮ってカメラマンが顔を上げる

「お疲れさまでした」

スタッフの言葉にルクリアを静かに腕から下ろした
すると彼女が頬を赤らめてこちらを見る
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