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ドラゴンボール/ラディッツ/地球人ヒロイン

第1章 崩される計画


地表に迫るにつれ激しくなっていく振動
男は組んでいる足の床についている方で身体を支えた
ポッドが大きく揺れ、外で轟音が響く
目の前の窓からは大きく抉れた地面が見えた
ハッチを開けると組んでいた足を下ろして立ち上がる
着陸の衝撃で舞い上がった砂煙に咳き込みながらゆっくりと宙に浮いた
周囲には建物などが全く無い
街から離れた場所に降りたのだろう
そう思いながら左耳に着けているスカウターを弄った
この多くの生命体の中から弟であるカカロットを探し出さなければならない
面倒だと思いながら着地地点を離れた

「……地球とかいう星……だったな」

上空から眺めると森林や水が豊かな星だと分かる
何気なく森を見下ろすと、細い1本の道が通っているのが見えた
その途中に人影を見つけてスカウターの表示を見る

「戦闘力……1だと」

こんなに低い数値を見るのは初めてだった
どんな奴なのかと興味がわいて高度を下げる
近付いていくと徐々に相手の顔がはっきりと見えてきた

(女か……)

そう思いながら少し離れた場所に下りる
歩み寄ると、足音で気付いたのか顔をこちらに向けた
正面で足を止めると倒木に腰掛ける女を見下ろす
2、3度瞬きをすると柔らかい笑みを浮かべて口を開いた

「こんにちは」
「……こ……んにちは」

可愛らしい声に戸惑いながらそう返す
女からは大人しく、清楚な印象を受けた
身体も小柄で立ち上がっても自分の胸あたりに頭が届く程度だろうか
そんな女が何故こんな場所に居るのだろう
じっと見ていると女が首を傾げた
その動きに合わせて肩に乗っていた髪が胸の前へと零れ落ちる

「こ……」

言葉を続けようとしてスカウターに手を伸ばした
左耳から外すと内側についているスイッチを押す
通信機能が遮断されたのを確認して再び耳に着けた

「こんな場所で……何をしている」
「散歩に出たら足を……」

そう言い、右足を摩る
長い裾から覗く白く細い足
腫れたりはしていないが、おそらく挫いたのだろう

「……家はどこだ」
「森を北に抜けた方です」

その言葉を聞いて女に近付いた
手を伸ばすと驚いたように後ろへ引く
それに構わずに両腕で女を抱き上げた

「きゃっ……!」
「っ……」

予想以上の軽さに驚きながら視線だけで彼女を見る

「……掴まっていろ」
「え?」
「家まで送ってやる」
「あっ……」
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