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ドラゴンボール/ラディッツ/地球人ヒロイン

第3章 記念写真


ソファに寝転がって新聞を読む
向かい側ではルクリアが本に視線を落としていた
何気なく眺めていると、不意に彼女が顔を上げてこちらを見る

「ラディッツさん、紅茶飲みますか?」
「ああ。……俺が淹れようかと思ってた」
「私が淹れますよ。ちょっと待っててくださいね」

そう言い、本をソファに置いて立ち上がった
キッチンに入っていくのを視界の端に見ながら新聞を捲くる
するとページの間に挟まっていた紙が顔の上に落ちてきた
新聞を腹の上においてその紙を取る
数枚のページが折り畳まれて本の様になっていた
仰向けだった身体を横にして何気なくそれに目を通す
少しするとルクリアがトレイを持って戻って来た
テーブルに2人分のティーカップとクッキーを乗せた皿を置く
自分が読んでいる物を見ると首を傾げた

「軍隊募集……?試験、受けるんですか?」
「いや、見てただけだ。身体測定があるだろ。尻尾がバレる」
「そうですね……でも、尻尾があるからって不合格にはされないと思うんですが……」
「そうか?」
「はい。ラディッツさん、身体動かすの好きみたいだし……軍隊なら訓練がありますよ」
「確かに、1日中家にいると身体がなまるな……気が向いたら受けてみる」

その言葉にルクリアが頷く
ラディッツは身体を起こすと紅茶に手を伸ばした
ルクリアと生活するようになってから今日で1週間
大食いの自分がいても余る程の財産をルクリアの両親は残している
これから先の生活には困らないが、世話になり続けるのも気が引けた
侵入隊員応募の期限まであと半月ある
そんなに焦らなくても十分に間に合うだろう
ラディッツはそう思い、読んでいたパンフレットをテーブルに置いた


家族連れやカップルで賑わう繁華街
この街で最も大きく、人の集まる場所だった
人の笑顔が溢れる光景を見ていると、自分がここにいるのがおかしく思えてくる
ほんの少し前までこの平和を壊す立場だったのに
侵略先の住人に戦闘能力が無くても何も考えずに手を掛けていた
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