第3章 賞金首
「確かだろうね?」
「有力な情報源ダスから、間違いないダス」
「そうかい。それと、その剣は売り物かい?」
「さすが、お目が高いダス。これはキャプテン・ファンクが使っていたという一品ダス」
そういって材木の欠片をその剣で切って見せた。綺麗にスパッと切れる。○○は剣をじっくり見て、自分も適当な物を切ってみる。
「こいつをもらうよ」
○○はポケットから金を出し、渡した。
「ホエェ!金貨!」
「さっきの情報料も込みだ」
「ありがとうダス」
買った剣をカラ松に渡す。
「あんたも武器を持っといた方がいい」
「アイアイサー」
街を歩くうちに、誰となくひそひそと話しているのに気づいたカラ松。
壁に貼り付けられた手配書が目に飛び込んだ。
『指名手配 レグルス海賊団船長○○ 賞金28億$ デッド・オア・アライブ』
「!!」
だがその手配書の似顔絵は、到底似ても似つかない。カラ松はホッとした。が、次の瞬間、真っ青になった。さっきのオヤジは○○を名前で呼んでいたのを思い出したからだ。しかも、船長とまで言っていた。
「○○。さっきのオヤジ、○○を売ったりしないか?」
「そんなこと考えてたら、こうやって街の中なんて歩いてないよ」
「でも、カラファーのこともあるし…」
すると○○がカラ松を見た。
「え」
その目は悲しそうでもあり、怒りに満ち溢れているようでもあった。これ以上言うなと言われているような気がする。言うなれば、無言の圧力だ。
「す、すまない」
その時。バタバタと数人の足音が聞こえた。憲兵だった。
「いたぞ、○○だ!」
「チッ!!走るよ!」
辺りに置いてある物を倒して経路をふさぎ、逃げる。
「逃げたぞ!二手に分かれて追え!」
「カラ松、こっちだ!」
○○について行くと、どこかの店の裏手に来た。樽がたくさん置いてある。
「ここにいな。出てくるんじゃないよ?」
「分かった」
カラ松を隠れさせ、自分も隠れる。やがて足音が近づき、憲兵が来た。
「くそっ、見失ったか!」
「この樽のどれかにいたりしてな」
そう言って一人が樽をいくつか、銃で撃った。
「馬鹿!弾を無駄遣いするな!」
「はっ!申し訳ありません!」