第2章 super moon
「泣いて解決するならあたしだって、いくらでも泣くさ。けど、どうしようもないことだって、あるじゃないか。心を強くしないとね」
「心を、強く……!」
カラ松は、何かに気づいたような顔になった。
「俺、頑張ってみる!自分を強くする!」
「その意気だ、カラ松!」
「応援しマッスルー!」
「まあ、頑張れ」
「サンキュー、エブリワン!」
「痛いとこも、カラファーそっくりだね!」
「ところで皆は、この船で何をやってるんだ?」
「オソワズは食器洗いと食材調達、チョロカンは航海士、イチアルは大砲の指揮と甲板掃除、ジュウシアムは見張りと帆の調整、トドクスは洗濯」
「ちゃんとしてるんだな」
「カラファーはカラ松と同じ、コックだった」
○○を見ていると、今でも愛しているのが分かる。カラ松にカラファーを見ているのだろうか。
「俺はカラファーの代わりには、なれないだろうか?」
「誰もが誰かの代わりなんて、なれやしないさ。あんたはカラファーにそっくりだけど、違うんだよ。カラファーはカラファーで、カラ松はカラ松なんだ」
「…そう、だよな。すまない、変なことを言ってしまった」
「いいさ、気持ちだけはもらっとくよ。ありがとう」
そしてチョロカンに言った。
「次の港には、どのくらいで着きそうなんだ?」
「そうですね。順調にいけば、明日には着くと思います」
「よし、港に着いたら各自、情報収集だ」
「アイアイサー!」
「カラ松はあたしについておいで」
「オゥケィ、キャプテン」
次の日。港に着いた○○たちは早速情報収集を始めた。
「さて、あたしたちも行くよ」
○○からはぐれないようについていくカラ松。
しばらく歩いて、市場にたどり着いた。
「よ、おっさん」
「ホエホエ。これは○○船長。今日は何にするダスか?」
「デカパン?!」
「ホエ?……!!!か、カラファー?!」
「似てるけど、違うんだ。他人の空似ってやつさ」
「ホエ~………。そっくりダスな。場合によっては、使えるダス」
○○はデカパンそっくりなオヤジに、短剣を突きつけた。
「もう一度言ってみな?喉を刺すよ!」
「ひぇえ…!わ、悪かったダス…。お詫びにいいことを教えるダス。例の物は髑髏島にあるダス」