第5章 カラファーとカラ松その2
「そうそう、あんな風にすぐイチャイチャしてさ」
「クソファー……」
「でもさあ」
ジュウシアムがポツリと言った。
「やっぱりなーんか、違うんだよねぇ」
「船長、カラファー兄さんに執着しすぎ」
「そりゃぁな。あれだけ愛し合ってたし、処刑が結婚式の前の日だったからさ、分かるんだけどさぁ」
「カラファーが乗り移ったと思ったけど、何かなぁ。ちょっとしたことで、あれ?って思うんだよな」
「やっぱり他人だしね」
そこへ○○がやって来た。
「チョロカン。港を見つけたら、着けて。食材調達しないとね」
「おっし!いい食材、見つけて来ます!」
「頼むよ。あんたの目は、確かだからね」
「へへーん」
○○の背中を見ながら、オソワズが言った。
「とりあえず、この話は終わりだ。今言っても、仕方ないしな」
「まぁね」
「アイアイサー!」
数日後、港に着いた○○たちは、それぞれに行動を起こした。
「オソワズ兄さん、手伝いマッスル!」
「サンキュー!ジュウシアムがいてくれると、助かるよ」
「カラファー。新しい服、買ってあげるよ」
「えっ。いいのか?」
「ずっとその服じゃ、気持ち悪いでしょ」
「助かる」
○○とカラ松は服屋に入った。
サイズの合う物で、カラ松の好みの服を買う。試着してそのままタグだけ取ってもらった。
「よく似合うよ」
「サンキュー!これで俺のパーフェクトコーデが増えたぜ」
「ふふっ。よかった」
店を出ると、オソワズたちに出くわした。
「船長!逃げて下さい!」
「憲兵がこっちに向かってます!」
「チョロカン兄さん、猫耳の女の子に弱すぎ!」
遠くからバタバタと足音がする。恐らく憲兵だろう。
「わっ!」
トドクスが足を滑らせて倒れた。そうこうするうちに、憲兵が追い付いた。
「くっ!!」
カラ松がトドクスを起こし、○○の方へ突き飛ばした。
「早く行け!!」
「カラファー!!」
「いたぞ、カラファーの偽物だ!!」
「早く!!」
「カラファー!!カラファーーー!!」
「船長!」
ジュウシアムが○○を担ぐ。
「離して!離して!!カラファーが…!」
「分かってます!今度こそ、絶対助けます!だから、落ち着いて!!」
こうしてカラ松は、牢屋に入った。