第30章 はじめてのデート(巻島目線)
水族館なんて今まであまり来ることは無かったが予想以上に楽しく、綺麗だった。
水槽を覗いている茉璃の横顔を覗きこむと彼女も楽しんでくれていることがわかる。
最後に土産物屋により別々に商品を見ていると、向こう側にいた茉璃が一点を見つめていた。
物陰からその様子をこっそり見ていると茉璃が何かつぶやいている事に気がついた。
『これ可愛いなーでもこういうの巻島さん付けるタイプじゃなさそうだしなー』
そういうとその見ているものを諦めたのか他の場所に行ってしまった。
眺めていた物がなんなのか気になりその場に行って見ると綺麗なくらげのペアストラップだった。
俺はそのストラップを気が付かれないようにレジへと持って行くと、ピンク色の方だけ袋に入れてもらい、青い方を自分の携帯へとつけた。
いつ茉璃にストラップを渡すか迷っているといつの間にか彼女の家の前まで辿り着いてしまった。
茉璃は俺の不審な動きに気が付いたのかこちらを不思議そうに見つめた。
俺は自身の鞄から先ほど買ったストラップを取りだした。
彼女に渡すと彼女は嬉しそうにストラップを見つめると急に抱きついて来た。
俺はその姿を愛おしく思いながら彼女をそっと抱きしめ返した。