第25章 新しい朝
教室に入ると、最初に声を掛けてきたのはいつも通り純太だった。
「おはよう。茉璃」
『純太、おはよう。青八木くんも。』
青八木くんはコクリと頷き、なぜかこちらをジッと見つめる。
『な、何?』
「あぁ、確かにそうだな、青八木」
『ん?』
純太と青八木くんはいつも通りのテレパシーで以心伝心している。
2人が何を考えているのか分からずに首を傾げていると純太がこちらを見て笑顔を向ける。
「何か良い事でもあったんだろ?もしかしてだけど…」
そこまで言いかけると純太は私の耳元に近付き小さな声で囁やく。
「巻島さんと上手くいったとか?」
その言葉に私の顔はみるみるうちに熱くなった。
『ななななななな何で!?」
動揺している私を見て2人はやさしく微笑む。
「おめでとう。茉璃。これからも影ながら応援してるぜ。」
そんな2人にお礼を言い笑顔で返すと、何だか2人の顔が少し赤くなった気がした。