第25章 新しい朝
休みが明けて月曜日の朝。
いつもと同じ玄関のドアノブのはずなのに
何故だか私の心臓はバクバクと煩い。
それもそのはず。
今日は巻島さんと付き合いだして初めての登校日。
即ち付き合いだしてから初めて会う日だからだ。
私はなんとかドアノブに手をかけ扉を開く。
すると私の目に飛び込んできたのは、私の家の前でロードに跨ったまま気恥ずかしそうに挨拶をしている巻島さんだった。
『っ!?お、おはようございます、巻島さん』
「クハッ、驚き過ぎショ」
そうは言われても驚くのも仕方ない。
特に約束などしていなかったのに目の前に急に現れたのだから。
『驚きますよ!待っててくれたんですか?』
「あー…まぁ、そんなとこショ」
照れながら顔を逸らした巻島さんは耳まで真っ赤になっている。
「ほっほら、早く行かねーと遅刻するショ」
『は、はい!』
お互いなんだか会話がぎこちなく、でもなんだかそれが心地良い。
そんな感覚を覚えながら私は巻島さんの横で自身のロードに跨りペダルを踏み始めた。