第24章 おまけ(東堂目線)
次の日、俺たちは茉璃の行きたいと言っていた定番テーマパークに来ていた。
昨日約束した新たな勝負。
俺たちは本気でこの勝負に挑んでいた。
巻ちゃんも俺も茉璃と2人きりになれるチャンスをずっと伺ってただろう。
そんな俺に帰り間際にチャンスが訪れた。
やっと俺の気持ちを伝えることができる。
"ずっと好きだった"ということ
"幸せになってほしい"ということ
そして、"巻ちゃんとの仲を応援している"ということ。
「俺はなまりん、お前には誰よりも幸せになってほしいと思っている。それはまりんのことを愛しているからだ。だがそれが叶わぬことぐらい俺にもわかる。何年もまりんをみてきたのだからな。だから、応援しているよ。」
まさかこのオレがこんな形で気持ちを伝えることになるとは一昨日までは微塵も考えていなかった。
橋の下で茉璃と他の男がうまくいくようにと祈るなんてな。
オレが情けない表情をしていたら茉璃は自分に責任を感じてしまうだろう。
そして何よりその表情は今までの関係が壊れるのが怖いといった感じだ。
「まりん、なにも気にするな!俺の自己満足で気持ちを伝えたかっただけなのだからな。それに俺たちの関係は今までと何も変わらんよ。」
そう伝えると茉璃はホッとした表情を浮かべた。
その表情に胸が締め付けられるが俺は精一杯の笑顔を茉璃に見せる。
するとタイミング良く向こうの方の必死に走ってきている巻ちゃんの姿が見えた。
(巻ちゃんもロード以外のことであんなに必死な顔をするのだな)
オレは茉璃の手をとり巻ちゃんの元へ向かうのだった。