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蝶と蜘蛛

第19章 温かな感触。(巻島目線)


帰り道、母がなんだか鼻歌まじりに機嫌よくスキップをしている。
不思議に思い理由を聞いてみると満面の笑みでこちらを向き直りとんでもないことを言い出す。

「さっきね、茉璃ちゃんに裕介のことよろしくねってお願いしちゃったの!そしたら、はい。ですって!」
「ハァ!?何勝手によろしくしてるショ!ってかきっと富永は何をよろしくされたのかわかってねぇショ」
「あら、そう?で、裕介は茉璃ちゃんに告白はしないの?好きなんでしょ?」

母の唐突の質問に言葉を詰まらせる。

元々は今回のレースは東堂の告白とデートを阻止するだけのつもりだったが、東堂が富永を見つめる瞳を見て俺も気持ちをきちんと伝えなくてはと思った。

だから、レースに勝ったら…と思っていたところだったのだ。

「クハッ。なんでもお見通しかよ。あぁ。するショ。どうなるかはわからねぇし今の関係が崩れてしまうとも限らねぇがな。」

俺はそう伝えると母は満足げな顔でまたスキップを再開するのだった。
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