第17章 長瀞山ヒルクライムレース(巻島目線)
山頂までは残り2キロ。
勝負を掛けるとしたらここだろう。
東堂も同じことを考えていたようだ。
「では、残り2キロ。本気でいくぞ!巻ちゃん!!!」
「負けねぇッショ!!!尽八ぃ!!!」
俺らはまた新たな約束をしお互い仕掛ける。
そしてゴール前最後のカーブ。
俺らは並んで最後の直線に入った。
身体をぶつけ合いながらのギリギリの勝負。
その中、微かに富永が俺と東堂を呼ぶ声が聞こえる。
「ぜってぇ負けねぇショ!!!!」
「それはこちらもだ!!!巻ちゃん!!!」