第82章 踏み出す一歩
あの小野田くんと峰ヶ山に登った日から、私たちは一歩一歩着実に前へと進んでいる。
あれほど不調だった小野田くんもあの後峰ヶ山ヒルクライムレースに出て、何かが吹っ切れたように好調だ。
そしてあっという間に月日は流れ4月。
私は3年生になった。
今年はインターハイ総合優勝の影響もあり、去年より多くの新入部員たちが総北高校自転車競技部を訪れていた。
『つっかれた〜…』
「お疲れ様、茉璃ちゃん」
幹はそういうとボトルとタオルを手渡してくれる。
『私、マネージャーのはずなんだけどな…』
そう呟くと純太は私の方を見て微笑む。
「仕方ないだろ?登りの練習相手に茉璃は適任なんだ」
小野田くんと走ったあの日から、私は小野田くんを始め、純太や鳴子くんとともに登りの練習をすることが増えていた。
それは新入部員が入ってからも変わらず、1年生レースではちぎれた1年生たちのサポートへと回った。
忙しいけど、充実感がある。
そんな毎日が続いていた。