第10章 あなたと初めての峰ヶ山
マネージャーになってもうすぐ1ヶ月というある日の部活でのこと。
最初はマネージャーという仕事がわからず、純太や青八木くん、それに巻島さんに助けられることが多かったが最近ではすっかり慣れてきた。
そんな私は今日、金城さんの許可を得て自分のロードバイクを持ってきていた。
追加用のドリンクを人数分用意し、タオルを部室にセットしてから私も走りに行く予定だ。
今日のメニューは各々好きなところを走ってくるというものだったので、それぞれが行っている場所が違うだろう。
金城さんと田所さん、純太と青八木くんそれぞれ分かれてスタートして行った。
巻島さんはというと先生からの呼び出しとのことで少し遅れて部活に参加する予定だ。
私がドリンクを作っていると巻島さんが部室に来た。
『巻島さん!お疲れ様です』
「あぁ。お疲れ富永。外にあったロード、お前のか?」
巻島さんは後ろを指差して私に問いかける。
『そうです。マネージャーの仕事にも慣れてきたし、今日は金城さんの許可が頂けたので少し走りに行こうかと思いまして』
私がそういうと少し微笑んでまた私に問いかける。
「今から峰ヶ山に行くんだが、付き合うか?」
『いいんですか?』
「あぁ。歓迎ショ」
突然のお誘いに少し驚いたが、とても嬉しかった。
巻島さんのダンシングを次はちゃんと近くで見たいと思っていたからだ。