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蝶と蜘蛛

第65章 光と影の間で


鳴り止まない歓声の中、トロフィーと花束を掲げる姿はまるで夢のようだった。
仲間たちの笑い声、肩を組み合う姿、こみ上げる涙。
全てが眩しくて、ただその場に居られることが幸せだった。

だけど、その幸せの奥に、一筋の痛みが走る。
裕介さんはこのインターハイが終わり夏休みが開けた頃、イギリスへ行くことが決まっている。
誰もまだ知らないその話を私だけが知っている。

感動で涙を流す裕介さんの横顔を見つめながら、胸の奥で言葉にならない思いが渦を巻く。
”おめでとう”と叫びたいのに、喉の奥が詰まる。
今まではインターハイに必死であまり考えないようにしていたのに、インターハイが終わったこの瞬間、裕介さんと離れてしまうことを意識してしまい心がキュッと締め付けられた。

笑顔の中に滲む寂しさを、誰にも気づかれないように、私は手を叩き続けた。
裕介さんの、みんなの夢を祝うように。
そして迫り来る別れを少しでも遠ざけるように。
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