第44章 新たな部員
『1年生、減っちゃいましたね』
私と裕介さんはまだ誰も来ていない部室で2人、部活の準備をしていた。
3週間ほど前、思ったよりも多く来たと思っていた新入部員も練習のハードさに耐え切れずどんどん減っていき気が付けば残り3人となっていた。
「別にいいっショ。元々真剣にロードをしにきた連中でもなかったしな」
裕介さんの言葉に意味が分からずキョトンとしていると、裕介さんは少し微笑みながら私の頭にポンと手をおいた。
『裕介さん?』
私が名前を呼ぶと裕介さんは少し顔を赤くして顔を反対側に向け、手をどけると急に真剣な顔をする。
「それに、今日はあの日だ。ここまで残ってなくて逆に正解だったかもしれねェショ」
そう。今日は1年生対抗ウェルカムレースの日だ。
私は去年のウェルカムレースではまだ入部していなかったので見ることはなかったが、その壮絶さは同じクラスの純太から聞いていた。
『今年はどんなレースになるんでしょうね』
そんな話をしていると幹が部室に入って来た。
「巻島先輩、茉璃ちゃん、お疲れ様です」
『お疲れ、幹』
軽く挨拶を済ませると先生が私達マネージャーを呼んでることを教えてくれた。
『じゃあ、裕介さん、少し行ってきますね』
私は裕介さんに挨拶をすると足早に職員室へ向かった。