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蝶と蜘蛛

第41章 新たな春


始業式と入学式が終わり、週明けの放課後。
今日からは新1年生が入部してくる。
私を含む2年生はなんだかソワソワしている。
初めての後輩ができるのだから仕方ない。

新入部員は思ったよりも多くきた。
この中の何人が部活に残ってくれるだろう。
クライマーがいることを願うばかりだ。

「あ、あの!富永 茉璃先輩ですよね?」
『え、あ、うん。そうだよ』

なぜかいつの間にか沢山の新入部員に囲まれてしまった。
これはどうしたもんだかと困っているとこれまたなぜかその新入部員たちは小さな悲鳴をあげながら私の元を去っていった。
何事かと後ろを振り返ると私の真後ろに裕介さんが仁王立していた。

『ゆ、裕介さん。新入生が怖がってます…』

苦笑いしながらそう伝えるとなぜか少し満足げに裕介さんは自分の練習メニューへと入って行った。
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