第41章 新たな春
新学期。
私はついに2年生となった。
裕介さんと一緒にいられる時間はあと半年弱と短いけれど、寂しさを忘れるほど濃い半年にできたらと思う。
そのためには部活もプライベートもどちらも充実したものにしたいものだ。
私はそんなことを考えながら正門を超えクラス分けが張り出されている掲示板へ向かう。
すると後ろから聞き慣れた声が私の名前を呼んだ。
「茉璃、はよっす」
『裕介さん、おはようございます』
挨拶を交わすと再び掲示板に目をやり自分の名前を探す。
「お、あったショ。また手嶋と一緒みたいショ」
「そうみたいです。また一年間よろしくな茉璃」
「『っ!?』」
急に現れた純太に2人して驚いていると純太はその光景が面白かったのかケラケラと笑っている。
『急に現れないでよ!びっくりするじゃない!』
「悪い悪い。でも俺の名前があるのもここなんだから仕方ないだろ?」
『それはそうだけど…』
そんな会話をしていると予鈴が鳴り響いた。
「っと、時間ショ。また部活でな」
そう言うと裕介さんは私の頭にポンと手のひらをのせるとその手をヒラヒラとさせながら校舎へと向かって行った。