第38章 相談(巻島目線)
峰ヶ山での出来事から1週間が経った。
あれから茉璃とは一切会話をしていない。
最初は兄貴の話を聞いて現実味もないしイギリスの大学なんか受かるわけがないと思っていた。
だから、合否が出るまでは茉璃にも話さないで置こうと思った。
合格通知が届いたときは正直戸惑った。
何をどう話していいのかも分からなかったし、彼女がどんな反応をするのか分からなかったからだ。
話した時、案の定彼女は戸惑った顔をしていた。
そして泣かせてしまった。
(最悪ショ…俺は一体どうしたら…)
考え事をしながらも体育館へと向かうと、彼女が手嶋と青八木の手を引いて体育館に入っていく姿が目に入った。
久々に見た彼女の笑顔はなんだか無理に作っているようにも見える。
俺はその3人の光景から目をそらすように携帯に視線を移した。