第37章 あの頃のあなた
あの峰ヶ山 の出来事から1週間。
早くも今学期の最終日を迎えている。
私は相変わらず裕介さんと話すこともなく避けに避けまくってしまっている。
誰に話すわけにもいかずこの1週間頭の中はそのことばかり。
しかしいくら考えたところで自分でもどうしたらいいのか、どうしたいのか、全く結論が出ない。
「…い……お……おい!」
『っ!な、何!?』
「何じゃねぇよ。ずっと呼んでたんだぜ?」
騒がしい教室の中で心配そうにこちらを見つめているのは純太と青八木くんだ。
ボーッと一点を見つめる私を心配して声をかけてくれていたようだった。
「どうした?そんなにボーッとして。ほら、立てるか?」
そう言うと純太と青八木くんは私に向かって手を差し出す。
『自分で立てるし!…でも、ありがとうね!』
私は目一杯の笑顔を作り、差し出された2人の手を掴むと勢いよく立ち上がりそのまま体育館へと向かった。