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蝶と蜘蛛

第35章 重いペダル


クリスマスから月日は経ち今はもう3月。
最近ではお互いの家を行き来したりデートしたりといたって順調な交際が続いていた。
今日は私の家で勉強会をした後に一本峰ヶ山へ走りに行こうということになっている。

しかし最近になって裕介さんの様子がなんだかおかしい。
何かを思い悩んでいるかのような考え込む表情をよくしている気がする。
気になって聞いてみてもなんでもないといつもはぐらかされてしまう。

『裕介さん?』
「…」
『裕介さん!』
「…っ!な、なんショ?」
『もう!なんショじゃないですよ!…また考え事ですか?』

そう言いながら覗き込むと裕介さんは困った顔をして目を逸らす。

『無理に聞き出すつもりはないですけど、私にできることなら裕介さんの力になりたいです…私には話せないことですか?』
「いや、そんなことは…ない、ショ…ただ…」

裕介さんはそこまで言いかけると何か意を決したかのようにこちらを見て口を開いた。

「後で、峰ヶ山の山頂で茉璃に話したいことがあるショ」

真剣な表情と声の裕介さん。
そんな裕介さんを見て胸の辺りがザワザワと騒がしい。
なんだか嫌な事が起こるような、そんな気がした。
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