第34章 2人きりのクリスマス(巻島目線)
クリスマス当日。
俺はロードを漕ぎながらとてつもなく焦っていた。
(昨日俺から誘ったのに全然行く場所決められてねぇショ)
そんな焦りが顔に出ちまってたのか一緒に走っていた手嶋が俺に声をかける。
「巻島さん、今日の茉璃とデートどこに行くんですか?」
なんでこいつがデートのことを知ってるんだと不思議に思いながら俺は手嶋の質問に素直に答えた。
「あぁ…実はまだどこに行くのか決められてないショ。手嶋、なんかいい場所知ってるか?」
手嶋は俺がデートスポットを尋ねたことに少し驚いた表情を浮かべ直ぐに考え込むような顔をする。
「んー…あ、そういえば…」
「なんか思い付いたのか?」
「そういえばこの前クラスの奴らと数人でクリスマスの話をしてたんですけど、ここから1時間ぐらいのところにある海外チックな国営公園の話題になりましたよ」
俺はすかさずロードを止めその場で携帯で公園を調べた。
「ここならイルミネーションもあるし綺麗ショ」
俺はその場で今日の目的地を決定した。