第33章 2人きりのクリスマス
「これは、俺からショ」
巻島さんに手渡された紙袋には可愛くラッピングされた小箱が入っていた。
小箱を開けるとそこには可愛い雪の結晶のモチーフのついたネックレスだった。
『可愛い!ありがとうございます!いま付けてもいいですか?』
私はネックレスを手に取り自身の首にかけようとする。
しかしなかなかうまくつけられない。
すると、巻島さんがこちらによって来て私の手からネックレスを取り私の後方に回った。
「つけてやるからじっとしてろ」
『あ、ありがとうございます』
首元に巻島さんの吐息が当たってくすぐったい。
「ほら、ついたショ…うん、やっぱり似合ってるショ」
巻島さんはそのまま私の背中を抱きしめ囁いた。
背中に感じる温もりに心臓が飛び出しそうになるほど高鳴っている。
「茉璃。こっち向いてくれるか?」
巻島さんのその声に私はゆっくりと後ろを向く。
すると巻島さんの真剣な眼差しでこちらを見つめている。
その瞳を見ているとなんだか吸い込まれてしましそうだ。
そして巻島さんの顔がだんだんと近づいて来て唇に優しく触れる。
『んっ…巻島さん…』
「…裕介」
『へ?』
「…そろそろ名前で呼んで欲しいショ」
『…裕介…さん』
私が名前を呼ぶと巻島さんはフッと微笑み私の首筋へ顔を埋めた。
『っ///』
「嫌だったら、嫌って言えよ?」
『い、嫌じゃ…ないです』
その夜、私たちはゆっくり大事に愛し合ったのだった。