第31章 クリスマスパーティー
「…うっぷ…」
「も、もう食べられないです…」
純太と青八木くんは吐きそうになり、金城さんは全く動かなくなっている。
巻島さんも口元を押さえもう食べられないと俯いている。
私ももう限界だ。
田所さんはというと未だに黙々と食べ続けている。
『巻島さん、台所少しお借りしますね』
私は机の上の空いたお皿を集め流しに持っていく。
すると先ほどまで俯いていた巻島さんが残りの食器を持って一緒に流しの方へやってきた。
『ありがとうございます。私がやるので置いといてください』
「いや、俺も手伝うショ」
2人横並びになり洗い物をしていると巻島さんが小声で話しかけて来る。
「茉璃、明日の部活終わり時間あるか?」
『明日ですか?親も出かけるって言ってたし時間はありますよ』
「その、一緒に…で、出かけないか?」
巻島さんの思いがけない言葉に嬉しさが込み上げる。
『はい!出かけたいです!』
「じゃあ明日、部活終わりに」
『はい!』
思いがけない約束ににやけが止まらない。
ふとダイニングの方に顔を向けると先ほどまで俯いていた純太がこちらを見てにやけているように見える。
私は気恥かしくなり思わず持っていたフォークを床に落としてしまった。
落としたフォークを拾おうと流し台の下にしゃがみ込むと巻島さんも拾ってくれようとしたようで同じく流し台の下にしゃがみこんだ。
そしてしゃがんだままで目が合うとどちらからともなくお互いの顔を近づけ、唇を重ねた。